第17回特選
【講評】
良いところを挙げたらきりがないほどたくさんあります。ですので、特に印象に残った「良いところ」を列挙します。
①カメラワーク(ラストシーンの足元だけのシーンなどローアングルが特に印象的に使われていました。また、中学時代の旧友との通話中に空にパンしたシーンはとても良かったです。)
②演者たちの会話(セリフ)がとても自然でした。
③スマホの使われ方も作品の中で効果的でした。
④時間の経過を表す方法が日めくりカレンダーだったり、板書だったりと工夫されていました。
⑤時折挿入されるカット(心象風景)が作品に厚みを持たせていました。
【講評】
この作品は、メタバースを暗示した作品なのでしょうか?
人が惹かれ合う時の必然性と運命(偶然)性。「日常に隠されているけれど敢えて取り上げないような小さな暗い部分を映し出したいと」いう作者の意図はしっかりと作品に投影されていました。
BGMの歌詞にも注目してほしいという事でしたが、確かに、音楽が効果的に使われていました。
主人公二人の演技も自然で、物語に引き込まれました。
一つ一つのカットが丁寧に作られていて(人物配置、心象風景、カメラワーク等)とても素敵な映画作品になっています。物語の展開、テンポも良いですね。
只一点、しおりのモノローグが、感情の発露になっていない感じがしたのが残念でした。