第16回映画甲子園「作品審査」結果発表

指導講評

2021年。COVIT19パンデミックは、衰えることなく世界中の人々の生活を制限し続けています。
生まれてからマスクを着けた人しか家族以外には見たことのない赤ちゃん。時限付きの学園生活の半分以上を不条理に奪われてしまった中高生や大学生達…
そんな環境下にあって、映画制作への情熱を失わずに様々な工夫を凝らして作品を作り続け、16回目となる映画甲子園に素晴らしい作品を出展してくれた映画制作者の生徒の皆さん、指導に当たられた教職員の皆さんに心から敬意を表し、厚く御礼申し上げます。
今大会の作品の中で特徴的に見られたのは、コミュニケーションの大切さやSNS社会への警鐘を鳴らす作品など、高校生ならではの視点で描かれた作品の多かったことでした。そして、そのいずれもが素晴らしい出来栄えだったことも記憶に残ることでしょう。
短尺の作品が多かったことも今大会の特徴でした。新型コロナ感染症の影響で十分な制作時間、活動が取れなった事が窺えましたが、短い作品時間の中に「序破急」「起承転結」が盛り込まれ、見事に「映画」として成立していました。
ドキュメンタリー作品の出展がなかったことは、とても残念ですが、ここにもパンデミックの影響を見ることになり、暗澹たる気持ちになりました。
2021年12月、新年を前にして、ο(オミクロン)株が世界的な流行の兆しを見せ始めました。感染症と人類との闘いは一筋縄では行かないようですが、第16回映画甲子園に出展された作品を見る限り、若人達の未来を創り出す潜在能力の高さを垣間見ることができ、未来への希望を感じ取ることができました。
困難な時代環境の中で「映画」を創作した高校生の皆さんに対し、惜しみない賛辞を贈ります。

最後に、作品評価に関して一言。
この評価は、現時点の各作品に対する、主に技術面の評価です。
悲嘆する事も、慢心する事も望みません。成長を続ける高校生諸君のマイルストーンとして、これからの作品づくりに活かしてほしいと願います。

第16回映画甲子園 作品審査の審査結果は各作品のサムネイルか各賞の画像をクリックしてご確認ください。